高津戸峡探鳥会の様子 2006年1月15日(日) 桐生分会
前日の雨も晴れ上がり春のような暖かさで、集合地の「ながめ公園北駐車場」には家族連れや初心者らしい方の姿も目立ちました。「探鳥会が初めての方はいますか?」と確認してから出発(これって大切なことです)。
最初の観察ポイント「はねたき橋」は、春の桜や新緑、秋の紅葉で知られる高津戸峡で最高のビューポイントです。周囲の景色を楽しみながら探鳥していると、30〜40羽の「イカル」の群れが上流に向かって飛んで行きました。

橋上でしばらく観察してから、はねたき橋を渡って左折し「オシドリの楽園」のダム湖に向かいます。オシドリ観察にはダムの堰堤がベストポイントですが、午前中は日陰となるので寒いです。ひときわ色彩の美しいオシドリは、カワセミなどとともに、鳥好き人間にさせる「きっかけ鳥」といえそうです。高津戸峡ダム湖のオシドリはマスコミの関心も高いようで、2〜3紙の新聞記者さんの取材もダム湖が中心だったようです。

ダム堰堤付近は、「マガモ」がテリトリーとしていますが、この日のスター「オシドリ」もスコープでしっかり見られ、参加者の皆さんも大いに満足されたようです。そのほかに「コガモ」や「オナガガモ」に「カワアイサ」まで観察できました。また、猛禽類も飛んでいました。


このダム湖はカワウのコロニーのあることでも有名になりましたが、今年は営巣の様子に変化の兆しが見え、以前ほどの賑やかさがありません。イメージが悪いせいでしょうか、カワウはどうも悪役にされがちで、アユ不漁の主因と決め付けた説も流布されていました(現在は放流アユに大きな問題があると考えられています)。科学的根拠をもたないような発言には、会員としても十分注意しなければならないでしょう。

ところで、ダム湖の眺望をそこねている堰堤の手すりについてですが、これは何年か前に一段高く増設されたものです。せめて自然観察用の窓を空けるなど、ダム施設に親しめるような温かみのある工夫が欲しかったですね。「直ぐには撤去できないなら、とりあえず鉄柵の一部を広げることを考えてもらえたら…」との参加者の声も聞かれました。

ダム湖でじっくりカモ類を観察した後、はねたき橋から高津戸峡左岸の渓流に沿って整備された遊歩道を探鳥しながら散策します。この遊歩道では、山野の冬鳥たちの観察が中心のようでしたが、セキレイ類やカワガラスなどの水辺の鳥たちも姿を見せてくれました。

変化のある遊歩道を上がり、集合地点の駐車場に戻って「鳥合せ」をして散会となりましたが、今回の探鳥会を振り返ってみると、オシドリを存分に観察できたことでは参加者の期待を裏切らなかったといえるでしょう。なお、この日は横堀支部長も参加されていて、ビギナーの方々への適切で親切なご指導をいただけたことは心強い限りでした。

<記録鳥種>

カイツブリ・カワウ・オシドリ・マガモ・カルガモ・コガモ・オナガガモ・カワアイサ・トビ・ノスリ・チョウゲンボウ・キジバト・アオゲラ・コゲラ・キセキレイ・ハクセキレイ・セグロセキレイ・ヒヨドリ・カワガラス・ジョウビタキ・ツグミ・ウグイス・ヤマガラ・シジュウカラ・メジロ・ホウジロ・アオジ・カワラヒワ・イカル・スズメ・カケス・ハシボソガラス・ハシブトガラス (合計33種)
カワアイサ

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